~社内業務の効率化から始める“AI×ビジネス”活用法~
こんにちは、DOWGAA編集部です。
いまや多くの企業で「生成AI」や「ChatGPT」をはじめとする大規模言語モデル(LLM)が導入されつつあります。そこで本ブログでは、「ChatGPTを活用した企業での具体的な活用事例」を数回にわたってシリーズ形式でご紹介していきます。
第1弾となる今回は、**「社内業務の効率化」**をテーマに、実際の企業で行われている活用アイデアをピックアップ。チャットボットを活用した社内ヘルプデスクの自動化や、ドキュメント要約・マニュアル作成など、すぐにでも取り入れられそうな事例をまとめました。
1. 社内問い合わせ対応をChatGPTで効率化
企業規模が大きくなるほど、社員から管理部門への問い合わせが日々膨大に発生します。例えば「経費精算のルールを教えて」「出張旅費はどのように処理するの?」といった基本的な質問が繰り返されるケースも多いですよね。こうした定型的な問い合わせへの対応をChatGPTで自動化している企業があります。
事例:製造業・B社の場合
- 課題: 経理・総務部への問い合わせが1日数十件~100件以上に及び、本来の業務に集中できない。
- 導入した仕組み: 社内規定やFAQをまとめたテキストデータをChatGPTに学習させ、社内ポータルサイト上で「AIチャットボット」を公開。
- 効果: 多くの社員がチャットボットから回答を得られるようになったため、経理・総務部の対応時間が3割以上削減。社員側も簡単な問い合わせならリアルタイムで自己解決できるようになり、大きな工数削減につながった。
このように、**「ChatGPTに社内ナレッジを学習させる→AIチャットボットを活用する」**という形をとると、問い合わせへの即時対応が可能になります。情報はアップデートが必要ですが、専門部署の負担軽減や社員の自己解決力向上が期待できます。
2. ドキュメント要約・社内マニュアル作成支援
日々増え続ける業務ドキュメントも、ChatGPTを使えば要約や再編集がスムーズに進みます。たとえば、社外セミナー資料や外部の技術レポートをチームに共有する際、要点を素早くまとめたいことはありませんか?ChatGPTを活用することで、大まかなサマリーの作成や簡易な解説の書き起こしが短時間でできるようになります。
事例:ITサービス・C社の場合
- 課題: 複雑な技術仕様書や業界レポートなど、大量の資料を読み解く必要があり、担当者だけでは要約作成に時間がかかる。
- 導入した仕組み: ChatGPTに複数のドキュメントを提示し、「それぞれの要約を500文字以内で作成」「エンジニア向けとセールス向けに分けて要約して」など、指示を与えて自動生成。
- 効果: 要約作業が大幅に効率化され、新人社員でも短時間で資料の全体像を把握できるようになった。担当者が1日かけていた要約作業が、1時間ほどで下書き→編集完了まで仕上がるようになった。
さらに、ChatGPTを使って**「マニュアル原稿のたたき台」**を作る事例も増えています。例えば、複数の部門が関わる新プロジェクトの進め方を整理する際、概要の文章や手順書のベースをChatGPTに書かせ、担当者が加筆修正するだけで完成する、といった流れです。人が一から書くより早く、かつ誤字や重複を少なくできるメリットがあります。
3. 社内コミュニケーション活性化:
企画ブレストやアンケート集計にも活用 「打ち合わせのブレストからアイデアがなかなか出ない…」「社員アンケートを分析するのが大変…」といったコミュニケーション面での課題に対してもChatGPTは有用です。
企画案やネーミングのブレスト
- ChatGPTに「〇〇の商品アイデアを10個出して」と依頼し、キーワードを得たうえでチーム内で議論を深める。
- 語感の良い商品名をいくつか提案してもらい、その中から絞り込むといった使い方も可能です。
アンケート結果のテキスト分析
- 社内アンケートの自由回答欄に書かれた文章を、ChatGPTに「共通のキーワードで分類して」「意見の傾向をまとめて」と投げかける。
- 数百〜数千件の回答があっても、短時間で要約されるため、担当者は最終的な精査作業に時間を集中できる。
ポイントは「AIの得意な作業」と「人間の得意な作業」を分けること。ChatGPTが出したアイデアや分析結果を、そのまま使うのではなく「改善点を見つける」「本当に使えそうなアイデアか精査する」という部分は人間が担当することで、最適なハイブリッド体制が築けます。
4. 導入時に注意すべきポイント
ChatGPTを導入する際、以下の点に気をつけておくとスムーズです。
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機密情報の取り扱い
- 無料版のChatGPTに社内の機密情報をそのまま入力すると、データが外部サーバーに保存されるリスクがあります。機密情報を扱う場合は専用の「企業向けプラン」やプライベート環境での利用を検討するか、または情報をマスキング(特定の部分を伏せる)するなどの対策が必要。
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誤情報(ハルシネーション)への対策
- ChatGPTが事実と異なる回答を「それらしく」生成してしまうケースがあります。最終的な意思決定や公式文書として使う場合は、必ず専門担当者や社内での確認プロセスを入れて誤情報を排除するようにしましょう。
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AI活用ポリシーの策定
- 「どのような業務でAI活用をOKとするか」「どのレベルの情報まで入力してよいか」といったルールやガイドラインを社内に周知し、トラブルを未然に防ぐ。
- 各従業員がChatGPTを自由に使う前に、情報漏えいリスクやコンプライアンスを踏まえた運用ポリシーを定めましょう。
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利用ログの管理
- ChatGPTに入力したプロンプトや生成結果など、業務に関連するやりとりを記録し、振り返りや監査ができるようにしておくと安心です。
5. まとめ|まずは小さな業務からAIを試してみよう
社内問い合わせ対応の自動化、ドキュメント要約、ブレスト支援など、ChatGPTの企業活用は**まず“小さなところから”**始めるのがおすすめです。いきなり大掛かりなシステム導入をするのではなく、例えば日常業務のドキュメント作成やアイデア出し、問い合わせ窓口の一部などで試してみると、効果を実感しやすいでしょう。
次回予告
次回の**「ChatGPT企業活用事例シリーズ#2」**では、
- 「顧客サポートのAI活用事例」
- 「カスタマーエクスペリエンス向上を目指すコールセンターDX」
などを深掘りする予定です。社内向けだけでなく、顧客接点でChatGPTをどう活用すると顧客満足度や売り上げが向上するのか、具体的な事例を見ていきましょう。ぜひお楽しみに!
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